2025/6/24

備忘録

【6月末日まで】地域医療体制確保加算を算定する病院は必見! 医師労働時間短縮計画のG-MIS登録期限が迫る!

診療報酬における「地域医療体制確保加算」を算定する医療機関は、医師労働時間短縮計画の作成が必須とされています。これは、特定労務管理対象機関(連携B・B水準・C水準)の他、A水準の医療機関であっても計画の作成が施設基準の届出の要件となっているためです。「地域医療体制確保加算」の施設基準として、当該保険医療機関内に、多職種からなる役割分担推進のための委員会又は会議を設置し、「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン」に基づき、「医師労働時間短縮計画」を作成することが求められています。また、当該委員会等は、当該計画の達成状況の評価を行う際、その他適宜必要に応じて開催していることが必要です。

加えて、この計画は、「医師労働時間短縮計画作成ガイドライン」に基づき、毎年見直しを行い、参考資料とともにG-MISに登録する必要があります。

計画の目的とPDCAサイクルの重要性

医師労働時間短縮計画は、単に書類を提出することがゴールではありません。医師の健康確保と地域の医療提供体制の確保を両立させることが真の目的です。そのために、医療法に基づく「医療勤務環境改善マネジメントシステム」の考え方を活用し、PDCAサイクルを回して継続的に改善していくことが求められています。計画には、主に以下の3項目について、目標と実績を記載し、毎年見直していく必要があります。

  • ① 労働時間の短縮に関する目標

  • ② 実績

  • ③ 労働時間短縮に向けた取組状況

計画見直しの年間スケジュール:2段階評価を理解しよう

計画の見直しは、「年度暫定評価」「年度最終評価」の2段階で行います。これにより、年度途中の進捗確認と、年度全体を振り返っての評価を分けて行い、計画の実効性を高めます。

図:医師労働時間短縮計画の年間PDCAサイクルイメージ

Step 1: 年度暫定評価(概ね12月~2月頃)

目的:

当年度の計画の進捗を確認し、次年度の計画見直しの要否を判断、目標を作成します。

やること:

  1. 実績確認(第3四半期頃): 4月~11月頃までの実績を確認し、後述する「参考資料」を作成します。

  2. 見直しの検討: 第4四半期の1月~2月を目途に医師を含む多職種の会議体で、実績を基に次年度の目標について議論します。

  3. 計画の変更: 議論の結果を踏まえ、3月末までに院内の機関決定を経て、次年度4月から開始する新しい計画を決定します。

Step 2: 年度最終評価(概ね4月~5月頃)

目的:

前年度1年間の目標達成状況を最終的に評価し、必要であれば計画をさらに修正します。

やること:

前年度(4月~3月)の年間実績を確認します。その結果、計画のさらなる修正が必要な場合は、再度、多職種で議論し、毎年6月末日までに計画を変更します。

【新設】見直しに必須の3つの「参考資料」

計画の作成・評価時には、現状を正確に把握するため、以下の3つの参考資料を作成する必要があります。

1. (別添1)水準別、診療科別の労働時間に関する資料

どの診療科で、どのくらいの時間外労働が発生しているかを把握するための資料です。作成には厚労省提供の「別添1作成シート」を使用します。副業・兼業先の労働時間も通算し、年度途中の入職者も加味する必要があります。

2. (別添2-1)労働時間短縮に向けた取組(タスク・シフト/シェア)に関する資料

看護師、薬剤師、医師事務作業補助者など、他職種への業務移管(タスク・シフト/シェア)の取組状況をまとめる資料です。

3. (別添2-2)労働時間短縮に向けた取組(医師の業務の見直し、その他勤務環境改善)に関する資料

宿日直体制の見直し、複数主治医制の導入、ICT導入といった、医師の業務そのものの見直しや勤務環境改善に関する取組状況をまとめる資料です。

計画・参考資料の提出・登録ルール

作成・見直しを行った計画と参考資料は、医療機関の種類によって提出するかG-MIS登録するか異なります。

医療機関の種類

提出/登録先

主な提出/登録物と期限         

特定労務管理対象機関(B水準・C水準など)

都道府県へ提出
(原則G-MIS経由)

暫定評価時の参考資料: 毎年2月15日まで
暫定評価後の変更計画: 毎年4月15日まで
最終評価後の計画・参考資料: 毎年6月末日まで

上記以外の作成対象医療機関
(地域医療体制確保加算を算定するA水準の医療機関など)

G-MISへ直接登録

最終評価後の計画・参考資料: 毎年6月末日まで
(暫定評価で見直しを行った場合もG-MISへの登録が望ましい。)

【注意】計画に変更がない場合でも、最終評価後の6月末日までに参考資料の別添1ならびに別添2-1、2-2を特定労務管理対象期間は提出を、それ以外の作成対象医療機関はG-MISへ登録する必要があることになります。

【最重要】注意点まとめ

特にご注意いただきたいポイント

  • 【令和6年度の最終評価について】
    地域医療体制確保加算を算定するA水準の医療機関は計画に変更があった場合は計画と参考資料のG-MISへの登録が6月末日までに必要です。計画に変更がない場合でも参考資料のG-MISへの登録は必要となります

  • 【提出先の違い】
    自院が「特定労務管理対象機関」に該当するかどうかを必ず確認し、提出先(都道府県)と登録先(G-MIS)を間違えないようにしましょう。

  • 【都道府県の指示】
    提出時期などが迫っていますが、都道府県に確認をして間に合うようにしましょう。別途指示がある場合は、その指示が優先されます。

  • さらに

    地域医療体制確保加算を届出している医療機関は、8月の地方厚生局への定例報告(8月報告)で「病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制(様式40の17)」の報告もあるのでご注意ください。

医師労働時間短縮計画作成ガイドライン(令和6年11月改正版)(PDFファイル)はこちらから