2026/2/17
お知らせ
【2026年度改定】電子的診療情報連携体制整備加算とは?
2026年度(令和8年度)診療報酬改定で新設される「電子的診療情報連携体制整備加算」について、取り上げます。
この加算は、従来の「医療情報取得加算」や「医療DX推進体制整備加算」を廃止・統合し、さらにサイバーセキュリティ対策の評価を組み込んだ、医療DXの新たな包括的評価です。
~医療DXとサイバーセキュリティの統合評価~
1. 改定の背景と狙い
既存加算の廃止・再編:
「医療情報取得加算(マイナ保険証利用等)」と「医療DX推進体制整備加算」を廃止。
「診療録管理体制加算1」のサイバーセキュリティ要件を削除し、本加算へ移管・統合。
目的:
マイナ保険証、電子処方箋、電子カルテ情報共有サービス等のDX基盤の活用を総合的に評価する。
医療機関に対するサイバー攻撃対策(セキュリティ確保)のコストを評価する。
2. 点数設計(外来・入院の2本柱)
① 外来(初診・再診)
DXの導入段階(電子処方箋・電子カルテ共有の有無)に応じて3段階で評価されます。ちなみにフルスペックと準スペック、基礎要件の違いは3. 施設基準(算定要件)の構造で説明します。
初診時(月1回):
加算1(15点): フルスペック(電子処方箋 + 電子カルテ情報共有サービス)
加算2(9点): 準スペック(電子処方箋 または 電子カルテ情報共有サービスのいずれか)
加算3(4点): 基礎要件(オンライン資格確認のみ等)
再診時(月1回):
加算(2点): 基礎要件を満たせば算定可能。
※「外来診療料(200床以上)」でも同様に2点を算定。
② 入院(入院初日)
サイバーセキュリティ対策の充実度(BCP策定等)に応じて2段階で評価されます。
加算1(160点): 十分な非常時対応体制(サイバーセキュリティ対策)がある。
加算2(80点): 必要な非常時対応体制がある。
3. 施設基準(算定要件)の構造
【ベース】全区分に求められる基礎要件(必須)
初診・再診・入院のすべてにおいて、以下の体制が前提となります,。
オンライン請求: レセプトのオンライン請求を行っていること。
オンライン資格確認: マイナ保険証等による資格確認体制を有し、十分な実績(利用率等)があること。
情報の活用: 医師が診察室等で、取得した診療情報(薬剤・健診情報等)を閲覧・活用できること。
マイナポータル対応: マイナポータル等の情報に基づき、健康管理の相談に応じる体制。
掲示・公表: DX推進体制や明細書発行について、院内掲示およびウェブサイトへ掲載していること。
明細書の無償発行: 患者に明細書を無償で交付していること。
【ステップアップ】上位区分に必要な追加要件
初診 加算1(15点): 以下の両方が必要。(フルスペック)
初診 加算2(9点): 以下のいずれか一方が必要。(準スペック)
電子処方箋の発行体制(または調剤情報の登録体制)
電子カルテ情報共有サービスの活用体制(他院との情報共有)
※基礎要件の情報活用と電子カルテ情報共有サービスとの違いは、電子カルテの情報いわゆるリアルタイムに近い情報を共有できるサービスか、オンライン資格確認からの古い情報を共有するサービスかということです。オンライン資格確認のデータは審査機関に提出されるレセプトからの情報になるため、どうしても1,2か月のタイムラグが生じてしまいます。
【入院特有】セキュリティ要件
加算1(160点): 「十分な非常時対応体制」。
(参考:旧・診療録管理体制加算1相当)専任のセキュリティ責任者配置、オフラインバ ックアップの確保、BCP策定と年1回の訓練など。今回の改定で廃止された診療録管理体制加算1の要件が「電子的診療情報連携体制整備加算」の要件として再編される形になります。加算2(80点): 「必要な非常時対応体制」。
加算1より緩和された基準(詳細は告示待ち)。加算1要件のうちいくつかを満たすという基準になると思われます。
4. 運用上の注意点と戦略
「明細書発行体制等加算」との併算定不可:
本加算の要件に「明細書の無償発行」が含まれているため、従来の明細書発行加算(1点)は併算定できません。実質的な点数アップ幅は、この1点を差し引いて考える必要があります。
経過措置:
新設に伴い、電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスの導入には経過措置が設けられる見込みですが、上位区分(加算1・2)を目指す場合は早めのシステム導入検討が必要です。電子カルテのベンダーさんに対応しているか、対応できるのか(いくらで)確認しておきましょう。
「十分な実績」の定義:
マイナ保険証の利用率などの具体的な数値基準が設定される見込みであり、3月の告示・通知で確認が必要です。
