2024/11/15

お知らせ

社会保険労務士と成年後見制度

成年後見制度とは?

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などにより、一人で判断することが難しい、あるいは不安な方の意思表示に対する支援を行い、その方の権利や利益を擁護する制度です。

成年後見制度の種類

成年後見制度には、大きく分けて法定後見制度と任意後見制度の二つがあります。

法定後見制度

本人の判断能力が低下した後に、家庭裁判所が後見人等を選任する制度です。

  • 補助: 判断能力が不十分な方が対象です。例えば、重要な財産行為を一人でするには不安がある、物忘れがあり、本人に自覚がある場合など。補助人は、重要な財産に関する行為等の中から本人が選択した行為について取り消したり、同意したりする権限を持ちます。また、本人が選択した代理権を持ちます。

  • 保佐: 判断能力が著しく不十分な方が対象です。例えば、日常の買い物は大丈夫だが、重要な財産行為は一人ではできない、しばしば物忘れがあるのに本人に自覚がない場合など。保佐人は、重要な財産に関する行為等について取り消したり、同意したりする権限を持ちます。また、本人が選択した代理権を持ちます。

  • 後見: 判断能力を欠いている方が対象です。例えば、一人では日常的な買い物も難しい、重度の認知症で、常に援助が必要な状態の場合など。成年後見人は、日常生活に関する行為以外の行為を取り消す権限と、財産に関する全ての法律行為の代理権を持ちます。

任意後見制度

本人に判断能力があるうちに、将来、判断能力が低下した場合に備え、後見人となる人(任意後見人)と契約を結ぶ制度です。契約は公正証書で行い、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて開始されます。本人の判断能力が低下したら、本人、配偶者、四親等内の親族、または任意後見受任者は、家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てができます。

後見人等の仕事

後見人等の主な仕事は、判断能力に問題がなければ本人が行う法律行為を 本人に代わって行うこと です。
例えば ●預貯金の引き落とし ●家賃等の支払い ●役所の手続きなどです。

日常の業務として財産管理と身上保護があります。

  • 財産管理: 預貯金の引き落としや家賃等の支払い、役所への手続きなど、本人に代わって法律行為を行います。

  • 身上保護: 本人の身体の状態を把握し、介護や医療の内容を介護事業所等と相談して契約するなどの法律行為を行います。身の回りの世話や介護などの事実行為は基本的には行いません。

後見人等に求められるもの

後見人等は、自らを律する「倫理観」と本人の意思を尊重し、本人のために行動することが求められます。具体的には、以下の三つの理念に基づいて行動することが重要です。

  1. 自己決定の尊重: 本人が選択できる範囲を可能な限り広くするという考え方

  2. ノーマライゼーション: 障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指すという考え方

  3. 身上保護の重視: 本人の財産を本人らしい生活の質の維持・向上のために活用することを重視するという考え方

社労士と成年後見制度

社会保険労務士は、年金・医療・介護等の社会保険制度全般に関わっている国家資格者です。成年後見制度においても、社労士は専門知識を活かして、以下のような役割を果たすことができます。

  • 本人が気づいていない年金記録の漏れや難しい年金の諸手続きがあった場合、申請等の手続きを確実かつ迅速に行う。

  • 高齢者の成年後見を行う際に欠かせない介護保険に関する手続きを行う。

このように、社労士は「成年後見制度」とともに高齢化社会を支える「車の両輪」といえます。