2025/5/21

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「社会保険料・税金は「いつの収入で」「何をもとに」決まる?退職後の試算にも役立つ基本を解説!」

「退職した後、健康保険を国民健康保険にするか任意継続にするか試算をしたいけど、一体どの金額をもとに試算したらいいの?」 「住民税はいくらくらいになるんだろう…?」

そんな疑問をお持ちではありませんか? 社会保険料や税金は、私たちの生活に深く関わる大切なもの。でも、その計算の仕組みはちょっと複雑で分かりにくいですよね。

この記事では、そんな社会保険や税金が「何をもとに」「いつの収入で」計算されているのか、専門用語もかみ砕きながら、スッキリ分かりやすく解説します! これを読めば、給与明細の見方や、退職後の手続きもスムーズになるはずです。


まずは基本!何をもとに計算されるの?(算定基礎)

それぞれの制度で、保険料や税金を計算する「もと」になるものが異なります。主なものをみていきましょう。


1. 健康保険・厚生年金保険:「標準報酬月額」がキホン!

会社員や公務員の方が加入する健康保険や厚生年金保険。これらの保険料は「標準報酬月額(ひょうじゅんほうしゅうげつがく)」というものを基準に計算されます。

標準報酬月額とは? 「難しそう…」と感じるかもしれませんが、簡単に言うと「毎月の給与を、キリの良い金額で区分けしたランク」のようなものです。このランクに応じて保険料が決まります。 基本給だけでなく、残業代や各種手当など、毎月会社から受け取るお金が対象です。標準報酬月額は給与明細から確認できます。企業によっては、備考欄などに記載されている場合もあるため、まずは記載がないか確認するようにしましょう。記載がない場合は、厚生年金保険料を用いて逆算することで算出可能です。

  • いつの給与で決まるの?:原則として、毎年4月~6月の3ヶ月間にもらった給与の平均をもとに「定時決定」という見直しが行われ、その年の9月から翌年8月までの1年間のランクが決まります。

  • 給与が大きく変わったら?:昇給や降給で給与が大幅に変動した場合には、「随時改定」といって、途中でランクが見直されることもあります。

  • 入社したときは?:入社したときの報酬をもとに標準報酬月額が決まります。

  • では任意継続は?:「退職時の標準報酬月額と、加入していた健康保険組合(協会けんぽなど)の前年度の全加入者の平均標準報酬月額を比較し、いずれか低い方の額を基に標準報酬月額が決まります。(詳細は加入していた健康保険組合にご確認ください。)」


2. 国民健康保険・後期高齢者医療保険:「前年の所得」がベース!

自営業の方や退職された方などが加入する国民健康保険、そして75歳以上の方が加入する後期高齢者医療保険。これらの保険料は、主に「前年の所得」をもとに計算されます。

前年の所得とは? 「所得」と聞くと「収入と同じ?」と思うかもしれませんが、少し違います。 前年の1月1日から12月31日までの1年間の「収入」から、必要経費(自営業の方など)や給与所得控除(会社員の方)などの所得調整控除後の金額(これを「総所得金額等」といいます)のことです。会社員だった方は、源泉徴収票に記載されている『給与所得控除後の金額』(これが給与所得にあたります)などが、この『所得』を計算する上での要素の一つとなります。他に所得があればそれらも合算し、そこから各所得の控除(公的年金等控除など)を差し引いた後の金額(これを「総所得金額等」といいます)が、保険料計算のベースになるのが一般的です(下図(源泉徴収票・確定申告書)の赤枠の金額)。そこから基礎控除43万円を引いた額がベースとなります。

  • 納付方法は?:この前年の所得をもとに、翌年度分の保険料(通常は4月から翌年3月までの1年間分)が計算され、その年の6月頃から納付が始まるのが一般的です。支払う回数(期数)は市区町村によって異なり、例えば『年8回払い』の地域では、1年分の保険料を8回に分けて支払います。そのため、1回の支払額が必ずしも1ヶ月分の保険料とは限りませんのでご注意ください。(お住まいの自治体にご確認ください。)


3. 国民年金:「定額」でみんな同じ!

20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金。こちらの保険料は、所得の多い少ないに関わらず「定額」です。つまり、原則としてみんな同じ金額を支払います。 ただし、保険料の金額は毎年度見直され、改定されることがあります。


4. 労働保険(労災保険・雇用保険):「賃金総額」で計算!

会社に雇われている方が対象の労災保険と雇用保険(これらをまとめて労働保険と呼びます)。これらの保険料は、会社が従業員に支払う「賃金総額」をもとに計算されます。 (会社員の方は、給与から天引きされる雇用保険料がこれにあたります。)

賃金総額とは? 基本給だけでなく、手当や賞与(ボーナス)など、労働の対価として支払われるすべての金銭を指します。ただし、お祝い金のような一時的なものや退職金は、通常ここには含まれません。


5. 住民税・所得税:「課税所得」が基準!

税金である住民税と所得税は、「課税所得」をもとに計算されます。(下図(源泉徴収票・確定申告書)赤枠から緑枠の金額を引いた金額)

課税所得とは? 「所得」から、さらに色々な「控除(こうじょ)」を差し引いた後の、実際に税金がかかる部分の所得のことです。控除には、誰にでもある基礎控除、配偶者がいる場合の配偶者控除、支払った社会保険料の社会保険料控除など、様々な種類があります。この課税所得に、それぞれの税率を掛けて税額が計算されます。(税額控除(住宅ローン控除など)がある場合は税額から控除されます。)

  • 住民税

    いつの所得で計算?前年の1月1日から12月31日までの課税所得を基に計算されます。

    いつ払うの?:その計算結果が、その年の6月から翌年5月にかけて納める税額となります。つまり、1年遅れで支払うイメージです。

  • 所得税

    いつの所得で計算?その年の1月1日から12月31日までの課税所得を基に計算されます。

    いつ払うの?:会社員の場合は、毎月の給与から天引き(これを源泉徴収といいます)され、年末に「年末調整」という手続きで正確な税額に精算されます。

豆知識:通勤手当の扱い 会社から支給される通勤手当は、一定の限度額(例えば、公共交通機関等で最も経済的かつ合理的な経路及び方法による場合は月額15万円まで)までは税金がかからない「非課税」となり、住民税や所得税の計算対象にはなりません。家賃補助など他の手当とは扱いが異なるので注意しましょう。ただし、この非課税枠は交通手段や距離によって細かく定められています。


まとめ:ポイントをおさらい!

種類

何をもとに計算?

いつの収入・所得が影響?

健康保険・厚生年金

標準報酬月額(給与のランク)

主に4月~6月の給与(その年の9月~翌年8月に適用)

国民健康保険・
後期高齢者医療保険

前年の所得(収入-経費-控除など)

前年(その年の通常4月~翌年3月の保険料に影響)

国民年金

定額

(所得による減免等あり)

労働保険

賃金総額(会社が支払う給与・手当・賞与など)

毎年4月1日~翌年3月31日の期間に支払われたもの

住民税

前年の課税所得(所得-各種控除)

前年(その年の6月~翌年5月の税額に影響)

所得税

その年の課税所得(所得-各種控除)

その年

※上記は一般的な説明です。詳細な計算方法や個別のケース(例えば、退職金の扱いや、年の途中で退職した場合など)は、お住まいの自治体の窓口、加入している保険組合、年金事務所、税務署などにご確認いただくのが確実です。


最後に

以上のように、保険料や税額を算出するもとの金額は一律ではありません。勘違いをしている方も多いと思います。

任意継続など健康保険料や厚生年金は給料の総支給額、国民健康保険は収入から経費や給与所得控除を引いた所得金額、所得税や住民税はさらに所得金額から所得控除(基礎控除など)を引いた金額とイメージすると良いかもしれません。