2026/2/25
お知らせ
【2026年診療報酬改定】どう変わる?「夜間休日救急搬送医学管理料」から新「救急外来医学管理料」への再編と算定のポイント
1. はじめに:なぜ救急の点数が大きく変わるのか?
2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、救急医療の評価体系にメスが入りました。これまで救急搬送の入り口の評価を担ってきた「夜間休日救急搬送医学管理料」が改編され、新たな「救急外来医学管理料」へと生まれ変わります。 この背景には、救急病院が24時間体制を維持するための「受け入れ体制整備コスト」をしっかり補填し、救急医療提供体制をさらに充実させる狙いがあります。
2. 従来ルールのおさらい(前・夜間休日救急搬送医学管理料とは?)
改定内容を見る前に、これまでのルールをおさらいしましょう。前「夜間休日救急搬送医学管理料(600点)」は、算定要件がかなり限定的でした。
時間帯の縛り: 診療時間外、休日、深夜のみ
対象患者の縛り: 救急用の自動車等により「緊急に搬送された初診の患者」のみ つまり、日中(診療時間中)の救急搬送や、夜間に自力で来院したウォークインの患者には算定できない点数でした。
3. 【最重要】ここが変わった!2つの新区分と従来との決定的な違い
新たな「救急外来医学管理料」は、患者様の来院方法や時間帯に合わせて2つの点数に分割されました。ここが押さえておくべきポイントです。

変更点①:日中(診療時間中)の救急車も評価対象に!「救急搬送医学管理料」 救急車等で搬送された患者様への対応を評価する点数です。
【従来との違い】 これまでネックだった「時間帯の縛り」が撤廃されました。診療時間中の救急搬送患者への対応も評価されるようになります。時間外の搬送患者は図のようにさらに加算という評価になります。変更点②:ウォークイン患者の時間外受診も評価!「夜間休日救急医学管理料」 診療時間外(休日・深夜含む)に救急外来を受診した患者様に対する医学管理の評価です。
【従来との違い】 救急車以外の、夜間に自力で来院した「ウォークイン患者など」への対応も新たに評価の対象となりました。変更点③:初診料を算定する初診の日に限りという文言が無くなっています。ということは、再診の患者でも算定できるということになります。例えば、退院したばかりの患者が再度具合が悪くなり救急車で来院した場合も算定可能ということです。
4. 施設基準の細分化と点数設定(自院はどこを狙えるか?)
より充実した体制を整備する医療機関が高得点を算定できるよう、体制や実績に応じて「1〜3」の区分が設けられました。
管理料1(救急搬送800点 / 夜間休日ウォークイン600点)
搬送件数: 年間1500件以上(医療資源の少ない地域は1200件以上)。
厳しい人員要件:専任医師(宿日直を行っている専任医師を含む)が常時、院内の「速やかに救急外来診 療を開始できる場所」に勤務している→当該専任の医師には「救急外来診療経験を5年以上の医師」を2名以上含む) 。さらに、麻酔科医や手術室看護師の緊急呼出体制、救急外来での薬剤師・検査技師の常時配置などが求められます。
管理料2(救急搬送600点 / 夜間休日ウォークイン400点)
搬送件数: 年間800件以上(医療資源の少ない地域は640件以上)。
人員要件の違い: CT検査実施者を院内常駐ではなくオンコール対応とすることも可能など、1に比べると要件が緩和されています。
管理料3(救急搬送200点 / 夜間休日ウォークイン50点)
認定された救急病院や救急診療所であれば算定できます。
5. 押さえておきたい関連加算と「院内トリアージ実施料」の組み換え
新点数に伴い、影響の大きい加算の再編も行われます。
時間外救急搬送加算: 3でも触れましたが、救急搬送で土日祝・夜間の対応をした場合、救急搬送医学管理料について時間帯に応じて上乗せ評価(200点〜300点)。
救急外来緊急検査対応加算: 24時間の検査体制を評価(区分により管理料1の場合300点、管理料2の場合200点)。
精神科疾患患者等受入加算: 過去6か月以内に精神科受診歴がある、または急性薬毒物中毒(急性アルコール中毒以外)の患者への対応を評価(400点)。
「院内トリアージ実施料」の廃止と加算への組み替え: これまで独立した点数だった「院内トリアージ実施料」が廃止され、「院内トリアージ実施体制加算(50点)」として組み替えられます。 これにより、「救急搬送医学管理料」や「夜間休日救急医学管理料」を算定している医療機関で院内トリアージの体制を整えていれば、50点の加算が取得可能になるというメリットがあります。
6. おわりに
2026年改定では、日中の救急車や夜間のウォークインが評価されるなど、救急外来の「入り口」の算定が大きく広がりました。一方で、上位の点数を算定するために求められる施設基準(搬送実績、専任スタッフの配置、MC協議会等への参加などの地域連携の取り組み)は非常に細分化・複雑化しています。
詳細な内容は3月の告示を待つ必要がありますが、まず自院の救急搬送受け入れ件数や、現在の医師・看護師・コメディカルの配置状況を正確に把握する必要があります。
