2026/3/16

お知らせ

【2026年8月改定】高額療養費の上限7.1%引き上げ! 知っておきたい「年間上限」と長期療養者・低所得者への配慮  

政府は13日、健康保険法などの改正案を閣議決定しました。病気やケガで高額な医療費がかかった時、私たちを守ってくれる「高額療養費制度」が大きく変わる予定です。2026年8月、自己負担の上限額が引き上げられる一方で、新しく導入される「年間上限」や、長期療養者・低所得者への手厚い配慮も盛り込まれました。この改定があなたの家計にどう影響するのか、そしてどのように備えるべきか、その全貌を分かりやすく解説します。

1・現状の高額療養費

(図赤枠) 「高額療養費制度」は、病気やケガで医療費が高額になった際に、家計の負担を軽くするための大切なセーフティネットの役割を果たしています。 現在は、年齢や大まかな所得の区分(例えば「年収約370万円〜約770万円」など)に応じて、月ごとの自己負担の「上限額」が決められています。 また、過去12か月の間に3回以上この上限に達して制度を利用した場合、4回目からはさらに上限額が下がり、負担が軽くなる「多数回該当」という仕組みが設けられています。

2・令和8年からの限度額(限度額見直し)

 (図緑枠) 一人当たりの医療費が増え続けている現状を踏まえ、この制度を将来にわたって維持していくために、令和8年(2026年)8月から自己負担の上限額が約7.1%ほど引き上げられることになりました。 ただし、単に引き上げられるだけではありません。これまでの「月ごとの上限」に加えて、新しく「年間の上限額(8月〜翌年7月)」が設けられるのが大きな特徴です。

3・令和9年からの限度額(所得区分の細分化) 

(図青枠) さらに令和9年(2027年)8月からは、これまで大まかだった所得の区分がより細かく分けられます。 これにより、ご自身の収入(支払い能力)により見合った、きめ細やかで公平な負担(応能負担)をお願いする仕組みへと変わります。

・制度の見直しのポイント 

今回の見直しでは、上限額が上がる一方で、長く治療を続ける方や収入が少ない方への配慮がしっかり盛り込まれています。

①長期療養者への配慮

  • 多数回該当の金額はそのまま(据え置き):長期間にわたって治療を続けている方の負担が増えないよう、4回目以降の安い上限額(多数回該当)については引き上げを行わず、現在の金額が維持されます。

  • 「年間上限」の導入:毎月の支払いが月の上限額には届かなくても、少しずつ積み重なって新設される「年間上限」に達した場合は、その年内のそれ以降の自己負担は不要になります。

②低所得者への配慮

  • 住民税が非課税の方については、上限額の引き上げ幅がなるべく小さくなるよう(過去2年間の年金改定率の範囲内に)抑えられます。

  • 住民税非課税のラインを少しだけ上回る「年収200万円未満」の方については、多数回該当の上限額がこれまでよりも引き下げられ、負担が軽くなります。

③70歳以上外来の自己負担限度額(外来特例)の見直し

  • 70歳以上の方の通院(外来)についても、支払い能力に応じた負担とするため、上限額が一定程度引き上げられます。

  • これと同時に、これまでの月額上限の12か月分にあたる「年間の上限額」が新しく作られます。

  • 引き上げにあたっても、住民税非課税などの低所得の方に対しては、毎月の上限額を今まで通り(据え置き)にしたり、外来の年間上限を導入したりすることで、毎月上限額まで通院する方の最大の自己負担額が現在より増えないように守られます。

まとめ

今回の高額療養費制度の見直しは、医療費の持続的な増加に対応しつつも、制度の急激な変更を避け、長期療養者や低所得者への影響を抑制する内容となりました。月ごとの負担だけでなく「年間上限」という新たな安心の仕組みが加わることで、治療が長期化する方にとってより頼もしいセーフティネットとなることが期待されます。ただ、大半の人は限度額が増えるため、負担感の増大を感じる見直しとなってしまいました。各見直し項目は、令和8年(2026年)8月から令和9年(2027年)8月にかけて段階的に実施されていく予定です。

参考資料はこちらこちら