2026/5/13

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令和8年6月1日が期限|医療機関が見落としがちな施設基準届出チェックリストー令和8年診療報酬改定

作成日: 2026-05-12


「施設基準のチェックリストはもう地方厚生局に送りました」という声を聞くことがありますが、これは届出にはなりません。チェックリストはあくまでも自院の確認用です。加算を算定するためには、各施設基準ごとに定められた「届出様式」を期限までに提出する必要があります。

令和8年度診療報酬改定の施行日は令和8年6月1日です。6月1日から新たな点数・加算を算定するためには、その日までに届出が受理されている必要があります。届出の受付期間は令和8年5月7日から6月1日必着とされており、可能な限り令和8年5月18日までの届出に努めることと厚生労働省も連絡しているので、早めの対応が求められます。

ただし、施設基準によって経過措置が設けられており、届出の期限は一律ではありません。たとえば、一部の病棟入院基本料や特掲診療料については令和8年9月30日、特定集中治療室管理料等は令和8年12月31日、在宅療養支援診療所の一部や機能強化加算は令和9年5月31日まで、それぞれ経過措置期間が設けられています。自院が算定している施設基準ごとに期限を個別に確認することが重要です。

厚生労働省HPー令和8年度診療報酬改定について(赤枠内がチェックリストです。)

この記事では、6月1日が届出期限となっている項目のうち、医科診療所が特に注意すべき届出事項と、届出の際の注意点をまとめます。


よくある勘違い——チェックリストは届出ではない

令和8年度改定に合わせて、厚生労働省および地方厚生(支)局から施設基準届出チェックリストが配布されています。このチェックリストを地方厚生(支)局に送付しただけでは、施設基準の届出を行ったことにはなりません。

届出が必要な施設基準ごとに、所定の届出様式を作成し、所管の地方厚生(支)局へ提出することが求められます。今後、通知の訂正等により内容が変更される場合もあるため、届出直前に最新情報を確認することもあわせてお勧めします。


医科クリニックが特に注意すべき届出(令和8年6月1日期限)

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(Ⅱ)——要件変更のため届出直しが必要

令和8年度改定でベースアップ評価料の要件が変更されたため、既に届出済みの医療機関であっても、改めて届出直しが必要です。

主な変更点は2つあります。

1つ目は対象職員の拡大です。これまでの「主として医療に従事する職員」に加え、40歳未満の医師・歯科医師・薬局薬剤師、および事務職員等も対象に拡大されました(経営者・法人役員等は除く)。

2つ目は評価体系の変更です。「継続して賃上げを実施している保険医療機関」と「新たに賃上げを行う保険医療機関」で点数が異なる設定となりました。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の点数は以下のとおりです(令和8年6月〜令和9年5月)。

新たに賃上げを行う施設:初診時17点 / 再診時等4点 / 訪問診療時(同一建物以外)79点 / 訪問診療時(同一建物)19点

継続的に賃上げを実施している施設:初診時23点 / 再診時等6点 / 訪問診療時(同一建物以外)107点 / 訪問診療時(同一建物)26点

届出様式は、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)が「別添2の様式95」、(Ⅱ)が「別添2の様式96」です。継続的賃上げの要件を満たす場合は、追加で「別添2の様式98」の提出が必要です。なお、毎年8月には賃金改善の状況を報告するための「様式100の別添1」(賃金改善報告書)の提出も求められます。


電子的診療情報連携体制整備加算(1・2・3)——新設のため新規届出が必要

令和8年度改定で、従来の「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が統合・再編され、「電子的診療情報連携体制整備加算」として新設されました。新たに届出を行う必要があります。

点数は次のとおりです。

初診時(月1回):加算1・15点 / 加算2・9点 / 加算3・4点 再診時(月1回):2点(区分に関わらず共通)

加算3(最低要件)を算定するには、以下の7つの要件をすべて満たす必要があります。

オンライン請求を行っていること。詳細な明細書を患者に無償で交付していること。オンライン資格確認の体制を有していること。取得した診療情報を診察室等で閲覧・活用できる体制を有していること。マイナ保険証の利用率が30%以上であること(直近の所定月のレセプト件数ベース)。マイナポータルの医療情報等をもとに患者の健康管理相談に応じる体制を有していること。明細書発行や医療DXの体制について院内掲示およびウェブサイトへの掲載を行っていること。

加算2はこれらに加え、電子処方箋の発行体制・電子カルテ情報共有サービスの活用体制地域か地域医療ネットワークへの参加実績のいずれかが必要です。加算1はこれらすべての要件を満たす必要があります。

届出様式は「別添7の様式1の6」です。マイナ保険証利用率30%以上の要件等は、別途地方厚生(支)局への届出は不要です。また、電子カルテ情報共有サービスに関する要件は、国が全国でのサービス運用を開始するまでの間は満たしているものとみなされます。


届出の手順と注意点

届出は所管の地方厚生(支)局に対して行います。提出方法(郵送・持参・電子申請)や受付期間は都道府県によって異なる場合があるため、各地方厚生(支)局のウェブサイトで事前に確認してください。

届出に当たっての注意点を3点お伝えします。

1点目は、チェックリストの提出は届出にならないことです。届出様式を正式に提出しなければ施設基準の届出とは認められません。

2点目は、通知の訂正が出る可能性があることです。改定直後は通知の訂正が出ることがあるため、届出直前に最新の告示・通知を必ず確認することをお勧めします。

3点目は、要件変更がある加算は既届出であっても届出直しが必要なことです。今回のベースアップ評価料がその代表例です。「前回届け出たから大丈夫」と思い込まずに確認が必要です。


まとめ

令和8年6月1日は、多くの施設基準届出の期限です。特に医科診療所では、ベースアップ評価料の要件変更に伴う届出直しと、電子的診療情報連携体制整備加算の新規届出が重要なポイントです。

「自院がどの加算を算定できるか」「届出様式の記載に漏れがないか」について不安がある場合は、お気軽にご相談ください。届出の整理から様式の確認まで、一緒に対応いたします。


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