2026/6/25

お知らせ

【緊急】令和8年診療報酬改定|“しれっと改定”に注意 診療情報提供料(Ⅰ)の明細書記載要領ルールが変わりました

作成日: 2026-06-25


近年の診療報酬改定は、以前に比べてかなり丁寧に解説が用意されるようになり、わかりやすく親切になってきました。その一方で、大きな話題にはならないまま、人知れずしれっと変わっている項目もあります。私はこうした改定を勝手に「しれっと改定」と呼んでいるのですが、令和8年度改定にも、やはりありました。

それが、診療情報提供料(Ⅰ)(B009)の紹介先に関するレセプトコメントです。

これまで「保険医療機関への紹介なら紹介先の名称は書かなくてよい」とされていた部分が見直され、令和8年度からは、紹介先が医療機関かどうかにかかわらず紹介先名の記載が求められるようになりました。算定要件そのものが大きく変わるわけではないため見落とされやすいのですが、記載漏れは返戻・査定の原因になります。今回は変更点と、レセプトでの具体的な書き方を整理します。

これまでの取扱い(令和7年度まで)

診療情報提供料(Ⅰ)を算定する場合、摘要欄には算定日を記載することが必要でした。

紹介先の名称については扱いが分かれており、紹介先が保険医療機関である場合は医療機関名の記載は不要、介護老人保健施設など医療機関以外へ紹介した場合のみ紹介先の名称を記載する、という運用でした。

つまり「病院・診療所への紹介=算定日のみ」「老健などへの紹介=算定日+施設名」という整理だったわけです。

令和8年度からの取扱い

令和8年度改定では、ここに紹介先名の記載が加わりました。

算定日の記載は引き続き必要です。これに加えて、紹介先が医療機関であるかどうかにかかわらず、情報提供先(紹介先の名称)を摘要欄に記載することになりました。

レセプト電算処理では、次のコメントコードを使って記載します。

・レセ電コード:830100080 ・表示文言:情報提供先(診療情報提供料(1));******

「******」の部分に、紹介先の保険医療機関名・施設名・市町村名などを具体的に記載します。

記載例

たとえば、A病院へ紹介して令和8年4月10日に診療情報提供料(Ⅰ)を算定した場合は、摘要欄に次のように記載するイメージです。

・算定日:令和8年4月10日 ・情報提供先(診療情報提供料(1));A病院

これまで医療機関への紹介では省略できていた紹介先名が、令和8年度からは必須項目になった、という点がいちばんの変更点です。

実務上の注意点

注意点1. 「医療機関名は不要」は令和8年度から通用しません

令和7年度までの感覚で「保険医療機関への紹介だから紹介先名は書かなくてよい」と処理すると、令和8年度の請求では記載漏れになります。レセコンのコメント設定やチェックフローを見直しておくことをお勧めします。

注意点2. 算定日と紹介先名はセットで確認する

診療情報提供料(Ⅰ)を算定したレセプトは、算定日と情報提供先コメントの両方がそろっているかをセットで点検します。どちらか一方が欠けていると返戻・査定のリスクになります。

注意点3. 同一月に複数の提供先がある場合は提供先ごとに記載する

同じ月に複数の医療機関・施設へ紹介してそれぞれ算定する場合は、提供先ごとに情報提供先のコメントを記載します。まとめて1件だけ記載するのではなく、算定した件数分の紹介先名を漏れなく書く必要があります。

まとめ

令和8年度の診療報酬改定で、診療情報提供料(Ⅰ)(B009)の摘要欄記載が次のように変わりました。

・算定日の記載は引き続き必要 ・紹介先が医療機関かどうかにかかわらず、情報提供先(紹介先名)の記載が必要(レセ電コード830100080) ・同一月に複数の提供先がある場合は提供先ごとに記載

これまで省略できていた紹介先名が必須になったことで、記載漏れによる返戻が起きやすいタイミングです。なお具体的な記載方法は厚生労働省の「診療報酬請求書等の記載要領」等の最新の通知でご確認ください。

6月も終盤に差し掛かっていますが、コメントを失念していた医療機関は、統計ツールなどで診療情報提供料(Ⅰ)の算定リストを抽出して対応していきましょう。