2024/8/28

お知らせ

電子カルテシステムの標準化で医療従事者の働き方改革が進む?

令和6年度版厚生労働白書

8月27日に厚生労働省から「令和6年版厚生労働白書」が公表されましたが、第2部第5章の第1節「医療DX等の推進」の中で電子カルテシステムの標準化が取り上げられています。医療現場ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。その中でも、電子カルテシステムの標準化は、医療の未来を大きく変える可能性を秘めています。

なぜ電子カルテの標準化が必要なのか?

電子カルテのメーカーがそれぞれ独自に開発し、独自の進化を遂げてきました。そのため、異なるベンダーのシステム間ではデータのやり取りが非常に困難なのです。

もし、すべての医療機関が同じ形式の電子カルテを使っていれば、患者さんの情報はスムーズに共有され、よりスムーズな医療が受けられるはずです。医療従事者にとっても、異なる医療機関に異動になった場合でも、システムの使い方をいちから覚える必要がなく、業務効率が向上します。

電子カルテシステム標準化における課題

電子カルテ情報標準化には、以下のような課題も存在します。

システム導入コスト: 新しいシステムの導入には、多額の費用がかかります。

運用面の課題: 複数の診療科のある総合病院では、診療科によって運用の特徴がそれぞれ異なります。

セキュリティ対策: 患者情報の漏えいを防ぐための厳重なセキュリティ対策が必要です。

電子カルテ情報の標準化に向けた取り組み

厚生労働省は、電子カルテ情報の標準化を進めるための具体的な取り組みを行っています。

既存の電子カルテシステムへの対応: 既に電子カルテを導入している医療機関に対しては、電子カルテシステムを標準規格に改修する必要があります。2024年3月からは、医療情報化支援基金を活用し、改修費用への補助を行っています。

電子カルテ未導入の医療機関への対応: 電子カルテを導入していない診療所等に向けては、クラウドベースの標準型電子カルテを開発・提供する予定です。デジタル庁と共に開発に着手しており、2024年度末には、一部の医療機関での試行的実施を予定しています。

これらの取り組みによって、将来的には全国の医療機関間で電子カルテ情報が共有され、患者により質の高い医療を提供できるようになることが期待されています。

あくまでも情報の標準化で、システムの標準化ではない

電子カルテシステムの標準化は、電子カルテを未導入のクリニックレベルにおいて標準型電子カルテを開発・提供するというレベルにとどまっており、すでに電子カルテを導入済みの医療機関においては、現行のシステムを改修することで、情報の標準化を行っていくという話でした。

 情報の標準化とは、現状は電子カルテシステム等からのデータ入出力が標準化されておらず、現状ではベンダーの異なる電子カルテ間では情報の交換・共有が難しい仕様になっています。情報の標準化をすることにより、システム間の連携が容易となり、他のクリニックや病院との間で情報の連携がスムーズになります。システムの標準化が実現すれば、業務効率化や医療安全の面から効果的ですが、多様性やコストのことを考えると現実的ではないのでしょう。

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