2026/6/1
お知らせ
令和8年診療報酬改定|健康診断後に保険診療を行った場合の診察料算定方法が明確になりました
作成日: 2026-06-01
「健診のついでに気になる症状も診てもらえますか?」
医療機関の窓口でよく耳にする場面です。こういった「健診と保険診療を同日に行うケース」での診察料(初診料・再診料)の取扱いは、これまで現場での解釈に差があり、レセプト審査での指摘事例も見られました。
令和8年度診療報酬改定(令和8年4月1日施行)では、この算定方法が告示・通知上で正式に明確化されました。根拠は「Ⅲ-1 患者にとって安心・安全に医療を受けられるための体制の評価」です。今回は、医療機関の方が押さえておくべき3つのポイントを解説します。
なお、混合診療の基本的なルールや「診察料の二重請求」の概念については、以前の記事「知っておきたい!『混合診療』と『診察料の二重請求』のルール」で詳しく解説しています。今回の記事はその内容を前提に、令和8年改定での明確化ポイントに絞って解説します。
明確化された3つのポイント

ポイント1. 健診等の費用は保険診療とは別に徴収できる
健康診断・検診・予防接種等(以下「健診等」)の費用は「療養の給付と直接関係ないサービス等」に該当するため、保険診療分とは別に自費徴収できることが通知上も明確化されました。これは以前から認められていた取扱いですが、今回の改定で根拠が整理されています。
ポイント2. 健診等と同日・同一受診で保険診療を行った場合は再診料等を算定できない
健診等を受けた日に、健診等に関連する疾病について同一受診で保険診療を行った場合、再診料および外来診療料(再診料等)は算定できません。
これは従来の初診料の取扱いと同じ考え方です。「健診という診察行為がすでに行われている」ため、同日同一受診での診察料の二重算定は認められません。健診の費用のなかに診察行為が含まれているとみなされるためです。
ポイント3. 別受診であれば再診料等を算定できる
健診等とは別の受診(後日あらためて来院した場合など)で保険診療を行う場合は、通常の保険診療における再診料の取扱いと同様に再診料等を算定できます。
健診で異常所見が見つかり、後日改めて受診して治療を開始するケースは日常的にあります。このような別受診であれば、通常どおり再診料を請求して差し支えありません。
医療機関がとるべき実務対応
同日に健診等と保険診療を行う場合
保険診療のレセプトに「健診にて診察料算定済み」などのコメントを記載し、再診料等を算定しないようにします。健診の料金案内に「診察料を含む」と明示しておくと、患者さんへの説明もスムーズです。
健診等の後に別受診で保険診療を行う場合
健診当日ではなく後日あらためて受診した場合は、通常どおり再診料を算定できます。カルテ上で「健診受診後、別受診にて来院」と記録しておくと、監査や審査対応の際に根拠が明確になります。
今回の明確化が意味すること
「健診と保険診療を同日に行う場合は診察料を二重に請求しない」というルール自体は以前から存在していました。今回の改定で変わったのは、このルールが初診料だけでなく再診料・外来診療料にも適用されることが通知に明示された点です。
特に再診患者が健診を受けるクリニックでは、「再診料ならいいだろう」と誤解されるケースがありましたが、今回の改定でその解釈の余地がなくなりました。
返戻・査定リスクを減らすためにも、健診の実施フローとレセプト記載ルールをあらためて確認しておくことをお勧めします。
まとめ
令和8年4月の診療報酬改定(Ⅲ-1)で、健康診断等を行った日の算定ルールが通知上も整理されました。
・健診等の費用は保険診療と別に自費徴収できる ・健診等と同日・同一受診の保険診療では再診料等は算定不可 ・健診等とは別受診であれば再診料等を通常どおり算定できる
「自院のレセプト対応が正しいか確認したい」「健診と保険診療の仕分けを整理したい」という場合は、お気軽にご相談ください。
関連記事:知っておきたい!「混合診療」と「診察料の二重請求」のルール
